岡山 木の家 (株)有本建設

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大工の弟子入り(No.60)
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    今日は秋祭り。
    大工の弟子も今日で卒業。

     

    朝早く起きて牛の草を刈りに行って、 親方の家の牛の草刈もこれまでだ。

    世の中に出る事が嬉しいような恐いような気持ちで、
    草をかついで帰って来ると、
    オカミさんが大きな声で、

     

    「トヨちゃん。 トヨ。」

    「ハーイ」

     

     「お風呂が沸いているから一番に入りなさい。」

     

    「 僕は最後でよろしいです。」


    「今日は一番に入らせてやれと親方が言っている。」

     

    「分かりました。」

    住み込みで来て何年も、風呂に入るのは最後の8人目。

    お湯は少なく、 時間は遅い。

    今日は昼であり一番風呂。なんだか化かされたよう。

     

    五右衛門風呂も一番か二番に入るといいな〜

    いつも風呂の中で座っても、膝ぼんがお湯から出てしまう。

    今考えてみるとまるで作り話のよう。

    僕の次に親方、その他家族の人がお風呂に入り、座敷の8帖の部屋で、

    すき焼きをして 昼食の準備がされていた。

    オカミさんの声で家族が集まってきた。

    親方が床柱を背に座っていた。

    お婆さんが、

     

    「トヨちゃん早く座敷へ出て座ろう。

      今日はあんたが主役じゃから。一人前になったな〜。」

    「トヨちゃんが丸坊主の頭で、風呂敷包みを抱えてきてから早4年半じゃもんな〜。」

    そんな話をしながら自分の席に付いた。

    親方より第一声  

     

    トヨ・・・


    新築、リフォームなら 衢本建設

    | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
    大工の弟子入り(No.59)
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      お祭までの2日間は自分がつかっていた道具の手入れ。

       

      まず鉋の刃の裏出し昔しからよく言われていた。

      鉋は糸裏ノミはベタ裏でないと良く切れないと聞いていた。

      また鋸の目立て刃を左右にわけて、ヤスリをかけるが胴付鋸や8寸9寸鋸は

      目立専門屋に持っていかないと自分たちの手にはあわない。

       

      道具の手入れをしながら、色々な事を振り返っていた。

       

      僕が風呂敷包みを持って出る時、
      目にいっぱいの涙をためて見送ってくれた 母 。

       

      又、一日中親方に叱られ もう今日は帰りに橋の上で待ち伏せして、

      親方を突き落として大工なんかやめよう。

       

      腹を決めて夕方道具を片付けているところに、親方がやって来て

      「今日一日お前を叱るばかりした。 でもわしはな〜お前のお父さんから

      大事な息子を預かっているから一日も早く一人前にしてあげようと思っているから。」

       

      あの一言がなかったら、僕の人生は変わってしまっていた。

       

      そんなこんなが頭を通り過ぎて行く。

       

      長かったような短かったような・・・

      でも嬉しい明日は大工見習いの卒業になる。

       

      親方からなんの言葉もなく

       

      さようなら

       

      であろうか? 僕はそれなりの挨拶を考えておかねば・・・

      | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
      大工の弟子入り(No.58)
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        10月7日離れ座敷の大工の仕事も今日で完成する。

         

        僕が少し残っていた仕事をしている所へ局長さんがやって来て、

         

        「若い衆ご苦労さん。今日でいよいよ君の顔を毎日見ることが出来なくなる。

         ちょっと淋しいな〜。 長い間お世話になりました。」

        僕は、

         

        「局長さんから色々聞いた話を、これからの人生の参考に生きていきたいと思っています。」

        「それはそうと、若い衆、神棚を1か所付けてくれんか。」

         

        と手に持っていた1枚の板を渡された。

        「分かりました。取り付ける場所は?高さは?」

         

        板を削り、取り付けが完了。 綺麗に片づけ、掃除をしていたら

        外回りの白壁を塗っていた左官さんが、

         

        「有本君今日で終わりか。」

         

        「ハイ」

         

        「一人前になったらどこに行くんなら?」

         

        「まだ僕は何も考えていません。」

         

        「どこで働いても怪我をせんようにな。」

         

        「分かりました。」

         

        その時、局長様の奥さんより、

         

        「有本君」  

         

        の声。振り向くとそばに奥さんが立っておられ、

         

        「長い間ご苦労様。今日で終わりじゃし、弟子も卒業とか。

        それでなお祝いの真似事に、お赤飯を作ったので左官さんも一緒に食べて。」

        「ありがとうございます。」

         

        左官さんの方は、もう世間慣れしているし色々な面で手際が良い。

        「若い衆早く頂こう。。。」

         

        局長様に挨拶をして、ぼろ自転車に道具箱と砥石を積んで帰った。

         

                                  つづく
         

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               好きなんです人も木も

                     衢本建設

         

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        | arimoto | 会長 | 08:49 | - | - | - | - |
        大工の弟子入り(No.57)
        0

          JUGEMテーマ:住宅

           

          お盆も終わり、朝夕はめっきり涼しくなってきた。

          離れ座敷の方も8割方完成。

           

          10月過ぎには、大工仕事は完了する見通しも立った。

          ある日、局長さんが僕に向かってこんなことを言った。

           

          「若い衆が力いっぱいやった品物には、なんだか勢いの様なものを感じる。

          君もうちの家が完成したら弟子を卒業とか?」

          「親方がそんな事を言っていたよ。」

           

          「中学を卒業してわずか4年で こんな立派な離れが

          一人で造れるなんて、人間は勉強すれば。。。。なー若い衆。

          しかし、人間の苦労はこれから始まると思っていた方がいいよ。

          そんなに楽ばかりあるはずがない。苦しみに耐え抜いた人のみが

          喜びを感じられるものだ。」

          そんな話を聞きながら僕は、

           

          力一杯生き抜こう

           

          幸せは自分の手でつかみ取ろう

          これから長押のヒナ止めを組んで長押をう、

           

          残っている仕事を完成させよう

          中学校を卒業して、風呂敷包みをボロ自転車に積んで、

          弟や妹の手を引いて涙を浮かべて見送ってくれた母の顔。。。

           

          風邪を引くなよ。頑張れよ!

          それが、つい先日のよう そんなことを思いながらふと目がうるんだ。

           

                                                つづく

           

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          | arimoto | 会長 | 08:41 | - | - | - | - |
          大工の弟子入り(No.53)
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            棟上げも出来て、礼儀も1000円頂いた。

             

            嬉しい、そうだ!

            のんちゃんはいつも生花の花を持ってきてくれる。

            お返しに映画でも見に2人で行ってこよう。

             

            夕方帰りに家に寄ってみると、いたいた。

             

            「のんちゃん僕は、礼儀をもらって1000円持っている。

            親方に休みをもらうから、岡山に映画を見に行こう。」

             

            「そう?嬉しい。いつ?」

             

            それから、2人で映画を見に行き、汽車賃などで1000円は消えた。

             

            もともとぼくの所には、お金は残らないようになっているんだ。

            これも生まれ合わせだろう。

             

            健康にさえあれば、お金なんか何とかなるさ。

            これで、生花のお礼も出来たし、さ〜仕事仕事。

             

            屋根じまいが兄弟子、親方3人で約1か月かかった。

             

            親方が、

             

            「よっちゃんよう、わしらは今日までにせんか。

            後はこの子に任せよう。羽風板は、正面から釘等を打たず、

            裏側から釘打ちにせいよ。」

             

            「はい」

             

            (心の中ではいちいち)と思いながらその仕事も出来上がり、

            屋根屋さんは瓦を上にあげる準備をしていた。

            左官さんは小舞竹を割って編む準備をしていた。

             

            僕は床を貼って、これから仕上げ材を削る。

            削り台を組み立てた。いよいよ本格的に造作工事に入る。

             

            ただ、天井竿、猿頬面を取る時、

            親方にトグリカンナを借りないといけないが、悪い顔をするからな〜。

             

            あの時、映画に行かなければ買えたのに。。。

             

                                  つづく

             

             

            | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
            大工の弟子入り(No.52)
            0

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              今日は棟上げ、親方も来た。

              近所の人達、総勢20人くらい。

               

              仕事に取りかかる前に僕のそばに兄弟子が近寄って来て、

               

              「とよちゃん、今日はあんたの指示で皆をひっぱっていくんじゃから、

              そのつもりでな。」

               

              「ハイ。」

               

              踊る気持ちをおさえ・・・

               

              「皆さん、おはようございます。今日一日よろしくお願いします。

              ケガのないように気をつけてください。」

               

              局長さんも出てこられ、

               

              「皆さんお世話になります。」

               

              御新酒を少し頂いて、作業開始。

               

              一日、無我夢中で走り回った。夕方、新し家の中にムシロを敷いて、

              ご馳走が出た。

               

              一番真ん中には、親方、隣に兄弟子、僕の順に並んだ。

              局長様から手伝いの皆さんにご挨拶があり、一同親方の一声で乾杯をした。

               

              親方は僕に向かって、

               

              「一杯やれ」

               

              と言ってチョウシをのぞけて、お酒をついでくれながら、

               

              「今日は梁の背に束穴を掘り忘れたのと、小屋束が一本、

              一寸長かったぐらいで、後はまあ良く出来てたほーじゃな。

              なあ、よっちゃん(兄弟子)」

               

              「そうじゃ、親方ももう、そろそろ一人前じゃなー。」

               

              「うん、この離れが完成したら、卒業じゃなあと思いよんじゃ。」

               

              僕は嬉しかった。中学校を卒業してすぐ、古びた自転車に

              ふろしき包み一つ持って、親方の家に住み込み。

               

              辛かった事も多かったけれど、やっと大工の仲間入りができる・・・。

               

                                 つづく

              | arimoto | 会長 | 08:30 | - | - | - | - |
              大工の弟子入り(No.51)
              0

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                丸桁(縁ゴウリョウ)の墨も出来た。

                今日一日で玄関の間草(水引)を仕上げた。

                 

                明日からは兄弟子に手伝って貰い、土台の裾付けをしたり、

                後一週間位で棟上げまでの準備は出来るし。。。

                 

                次の朝「おはよう」と兄弟子が来た。

                 

                道具を下に置くなり、目についたカヤオイを見るなり、

                 

                「こりゃ〜ええ木じゃな〜何ぼ照らしたんなら。」

                 

                「一寸三分です。」

                 

                「親方に聞いたんか?」

                 

                「いいや」

                 

                「おいおい。そんな肝心なことは聞かないと!!」

                 

                「いけんの?」

                 

                「いいや〜その位ならええけど、親方はいつ聞くのかと待ち心でいると思うで。

                 今日帰ったら、よっちゃんに叱られたと言うとけい!!」

                 

                そんな事を話ししながら水平も高さもマチマチな石の基礎の上に土台を裾付けした。

                やっぱり兄弟子は、仕事が早い僕の手つきを見ていた。

                 

                兄弟子は、

                 

                「トヨちゃん カラスぐちは同じ所は2回位までじゃ。

                 継手を見たりしてもうちょっと大きく掛けていけ。

                 そうせんと同じ所を何回でもせんといけんじゃろう。

                 トヨちゃんも、そろそろ一人前じゃ〜し、仕事がのろかったら、

                 日当が少ししかもらえんで!!」

                 

                                  つづく

                 

                | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                大工の弟子入り(No.50)
                0

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                  局長様の離れ座敷を一人責任を持ってやれ。。。

                   

                  僕は少し緊張しながら仕事を進めていた。

                  その当時、基礎工事はコンクリートでなく石積みの基礎。

                   

                  ある日、その石屋さんから、なんと ”棟梁” と

                  呼ばれて初めて言葉を頂き、とまどった。

                   

                  「何ですか?」

                   

                  「この玄関入口の延べ石の高さは何を基準にして、どの位の高さにしたらえんなら。」

                   

                  「高さの基準は西側にある本宅の高さと同天にして、後から渡り廊下を付けますので、

                  本宅の床天より一尺三寸下がりが延べ石の天にしておいて下さい。

                  玄関の土間から箱段に上がって、それから6寸程度上が畳天になる予定でおりますので。」

                   

                  すると、石屋さんは僕の顔を見なおして、

                   

                  「ほ〜

                  全部頭の中に入っとんじゃなー。」

                   

                  仕事を任されると言うことは、すべて家全体の事が

                  頭に入っていて当然のことだと僕は思っていた。

                   

                  棟梁は、

                  「熱心じゃな〜。

                  この大きな縁ゴリョウは、一人の手に合わんじゃろう。

                  どうする気?」

                   

                  僕は、

                  「兄弟子に手伝って貰うつもり。

                  棟上げの時、親方をびっくりさせてやろうと思いまして。」

                   

                  まあ、頑張れよ! 

                   

                                          つづく

                   

                  | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                  大工の弟子入り(No.49)
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                    JUGEMテーマ:住宅

                     

                    小遣いのない正月も終わり、1月5日より仕事始め。

                    親方と一緒に局長様の家に出向いた。

                     

                    近所の人に作ってもらったという大工小屋の中には、

                    棟上げまでの木材が積んである。

                     

                    南側と東側に使う大きな丸桁が横たわっていた。

                    親方は、僕に向かって、

                     

                    「この離れはカヤオイを使って化粧軒にするから。。。」

                     

                    「それでは下側の化粧屋根は2.5寸勾配で上側は4.5寸勾配ぐらいですか?」

                     

                    「そうじゃ。下側の化粧垂木は丸桁より先だけのつもりじゃが、足場をしないと出来んで。」

                     

                    「いいや。僕はもう半間奥まで届く垂木にして造った方が、

                    早く出来て強くなるし、その方が材料代より大工手間が安くて済むと思いますが。。。」

                     

                    「そうか?そりゃその方がええな―

                    お前はそのことに今気が付いたのか?」

                     

                    「いいえ。正月前にこの仕事の話がありましたので、離れ座敷なら、

                    こんな屋根の注文だろうし、親方も局長にそんな話を進められていると思いましたから。」

                     

                    「お前は熱心じゃな―。

                    図板(今の設計図)は、これじゃあ。

                    わしは、よその現場に行くから、気を付けてやれよ!」

                     

                    「はい。」

                     

                    さ〜やるぞ!!

                     

                                                           つづく

                    | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                    大工の弟子入り(No.48)
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                      JUGEMテーマ:住宅

                       

                      お正月。

                      元旦20円のお金で一日楽しかったような顔をして親方の家に帰った。

                       

                      どこまで行っても僕は部外者。家族の輪の中には入れません。

                      でも、今度の正月は一人前の大人の人間として。。。

                       

                      「いい〜まに見ていろ、僕だって。」の心境。

                      その反面、仕事を探して頑張らないと、

                      今までに見たこともないような地獄を見ることになる。

                       

                      「絶対に弱音は吐かんぞ。」そんなことを考えるとワクワクしてくる。

                       

                      その時、親方の声・・・

                       

                      「トヨ。正月休みの間に田を引くことを教えて欲しい。

                      お前が出ていくと、あと誰も田をひく人がいないので、

                      2日、3日の2日間すまんが教えてくれ!」

                       

                      「ハイ。よ〜し、ここで4年分の仇を取ってやろうか。」と心の中で思った。

                       

                      田んぼに行って牛を仕立て、最後の割り鍬を入れて、

                      今度は両方から土をかぶせるようにすいていく。

                       

                      「うまくすけないと、田植えをする時、手が痛くて植えられん。

                       

                      牛と、うしん鍬を親方に持たせて、早く牛を追いなさい。

                      そりゃ。そりゃ。と言っているが、牛はのんびりと立っているだけ。

                       

                      オイオイと追い立てても行かんがな。

                      それは牛になめられているの。

                       

                      声なんか出さなくても、こうすれば前進むんです。」

                       

                      と、僕が牛の手綱を持って、前に歩き出す。。。

                       

                      すると、どうしてなら?

                      牛の手綱が緩むからじゃ、こうか?

                      それそれ牛はよそのほうに行っている。

                       

                      もとの場所にもどらないと。。。

                       

                      「大工の腕は確かじゃが、牛で田を引くのはさっぱりじゃで。」と大きな声。。。

                       

                       

                                                                    つづく

                       

                      | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
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