岡山 木の家 (株)有本建設

木造住宅・耐震住宅の衢本建設!!
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大工の弟子入り(No.49)
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    JUGEMテーマ:住宅

     

    小遣いのない正月も終わり、1月5日より仕事始め。

    親方と一緒に局長様の家に出向いた。

     

    近所の人に作ってもらったという大工小屋の中には、

    棟上げまでの木材が積んである。

     

    南側と東側に使う大きな丸桁が横たわっていた。

    親方は、僕に向かって、

     

    「この離れはカヤオイを使って化粧軒にするから。。。」

     

    「それでは下側の化粧屋根は2.5寸勾配で上側は4.5寸勾配ぐらいですか?」

     

    「そうじゃ。下側の化粧垂木は丸桁より先だけのつもりじゃが、足場をしないと出来んで。」

     

    「いいや。僕はもう半間奥まで届く垂木にして造った方が、

    早く出来て強くなるし、その方が材料代より大工手間が安くて済むと思いますが。。。」

     

    「そうか?そりゃその方がええな―

    お前はそのことに今気が付いたのか?」

     

    「いいえ。正月前にこの仕事の話がありましたので、離れ座敷なら、

    こんな屋根の注文だろうし、親方も局長にそんな話を進められていると思いましたから。」

     

    「お前は熱心じゃな―。

    図板(今の設計図)は、これじゃあ。

    わしは、よその現場に行くから、気を付けてやれよ!」

     

    「はい。」

     

    さ〜やるぞ!!

     

                                           つづく

    | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
    大工の弟子入り(No.48)
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      JUGEMテーマ:住宅

       

      お正月。

      元旦20円のお金で一日楽しかったような顔をして親方の家に帰った。

       

      どこまで行っても僕は部外者。家族の輪の中には入れません。

      でも、今度の正月は一人前の大人の人間として。。。

       

      「いい〜まに見ていろ、僕だって。」の心境。

      その反面、仕事を探して頑張らないと、

      今までに見たこともないような地獄を見ることになる。

       

      「絶対に弱音は吐かんぞ。」そんなことを考えるとワクワクしてくる。

       

      その時、親方の声・・・

       

      「トヨ。正月休みの間に田を引くことを教えて欲しい。

      お前が出ていくと、あと誰も田をひく人がいないので、

      2日、3日の2日間すまんが教えてくれ!」

       

      「ハイ。よ〜し、ここで4年分の仇を取ってやろうか。」と心の中で思った。

       

      田んぼに行って牛を仕立て、最後の割り鍬を入れて、

      今度は両方から土をかぶせるようにすいていく。

       

      「うまくすけないと、田植えをする時、手が痛くて植えられん。

       

      牛と、うしん鍬を親方に持たせて、早く牛を追いなさい。

      そりゃ。そりゃ。と言っているが、牛はのんびりと立っているだけ。

       

      オイオイと追い立てても行かんがな。

      それは牛になめられているの。

       

      声なんか出さなくても、こうすれば前進むんです。」

       

      と、僕が牛の手綱を持って、前に歩き出す。。。

       

      すると、どうしてなら?

      牛の手綱が緩むからじゃ、こうか?

      それそれ牛はよそのほうに行っている。

       

      もとの場所にもどらないと。。。

       

      「大工の腕は確かじゃが、牛で田を引くのはさっぱりじゃで。」と大きな声。。。

       

       

                                                    つづく

       

      | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
      大工の弟子入り(No.47)
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        稲刈りも終わり、秋も深まっていく

         

        親方の家も完成間近、新年は新しい家で迎えられそう。

         

        そんなある日親方が僕に向かって お前、新年が明けたら

         

        日笠の郵便局の局長さんの離れを建てるのでお前が一人で仕上げまでしなさい。

         

        その離れが完成したらお前も卒業じゃなー  と言っているので

         

        それじゃあ今年が最後の正月になりそー

         

        いよいよ12月31日大晦日、新築の家で 正月が来る

         

        その日の夕方、親方の弟さん一家5人が大阪から帰ってきた。おかみさんも大忙し

         

        迎えた正月、お雑煮を食べてコタツに入っているとおかみさんがやってきて

         

        トヨ! お前みたいな若い者がコタツなんか入らずに遊びにでも行け!

         

        ははぁん 邪魔になるんだ  とりあえず家を出た。でも服のポケットには

         

        20円しかない。お金がなければ友達の所にも行けない。とりあえず自転車を走らせ

         

        パチンコ屋に入った。玉売り場に行くと店員さんが玉を出す機械に手をかけたが、僕がポケットから

         

        取り出した20円の見ると、僕の顔を見ながら笑みを浮かべ、玉を数えて10こ出してくれた・・・

         

        もうそこから先は書きたくない。あれから50数年過ぎた今でも目頭が潤んでくる

         

        きょうはここまでとします。

         

                               つづく

         

         

        | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
        大工の弟子入り(No.46)
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          秋祭りも運動会も終わり、親方の家造りの仕事をしていた。

           

          ある日、親方が オイ、出書院材をここに置いているのでお前が作ってくれ。

           

          わしはメガネを掛けないとよく見えないのでやってくれ、失敗するかも?

           

          今のお前なら安心しておれる。むしろ兄弟子より確かかもしれん。

           

          困ったような、嬉しいような… よしやろう と思い、取りかかった。

           

          数日後、やっと出来上がり、手の形をぬれたタオルでふき取っていると、

           

          親方がやって来て、 おー思った通りじゃ、ようやった。 もうわしが

           

          かなわんぐらいじゃ。ついでに長押のひな止めを頼むから。

           

          そうこうしている内に稲刈りが始まり百姓の手伝い つるべ落としの日が暮れて食事を済ませて

           

          部屋にいると 今晩は 今晩は〜 の声。 はーい おかみさん 呉服屋さんが

           

          息子さんのズボンでも? すると側にいた長男は おかあ、もう服はいらんで

           

          長持ちの中は服でいっぱい、そんなに着れんで

           

          すると呉服屋さんは、すかさずこのエンジ色のセーター、若い衆が欲しかったんじゃ

           

          奥さん1枚買ってやって  すると、おかみさん・・・?

           

          稲刈りも手伝っているし もしやと隣の部屋で耳をすませていると

           

          あの子は服はぎょうさん持っとんじゃ〜 の声  がっかり。。。

           

          自分が金儲け出来るまでは我慢をしよう。。。 あ〜あ!

           

                                     つづく

          | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
          大工の弟子入り(No.45)
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            JUGEMテーマ:住宅

             

            春夫さんという大工さんには、僕の気持ちを踏みにじられ、兄弟子に慰めてもらったが、

             

            まだ気持ちの整理がつかない。親方にも、 お前はそんなに早くから行かないとだめなの?

             

            …それぐらい働いたのに、僕はお金には貧しかったが、心まで貧しくはなかった。

             

            あの人の様な人生は送りたくない。あの人は心の貧しい人だと思った。

             

            夜も寝つきが悪く、もう鳥の鳴き声が聞こえた。朝が来た。今日は秋祭り、友達と遊ぼう!

             

            するとおかみさんが トヨ朝一番になぁ〜 牛の草を刈ってから遊べぇよぉ  分かりました。

             

            お爺さんは僕に優しくしてくださる。お爺さんの代理なら、むしろすがすがしい気分になれた。

             

            約2時間ぐらいで籠に一杯刈れたので家に帰った。するとその籠の中身を見たおかみさん。

             

            ジロー、トヨよ、もう一杯じゃなあ〜  そうですか… 夜は早く帰らないと叱られるし、

             

            楽しい祭りにならない内に夕方になってしまった。お父さんやお母さん、姉さんや

             

            弟達はどうしているだろう。早く一人前の大工にならないと…

             

                                          つづく

            | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
            大工の弟子入り(No.44)
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              今日は10月9日 日笠の秋祭り 今日の夕方には僕に約束してくださった大工さんの気持ちが頂ける。

               

              嬉しくて朝早く現場に行き おはようございます。 おはよー と新築中の大工さん

               

              トヨちゃん 親方との約束は今日までなので今晩は道具を持って帰ってよ。 はい。

               

              早く日が暮れるとよいのに と思いながら。。。

               

              夕方になり、大工さんは子供の手を引いて、 トヨちゃん早くしもーて〜よ。

               

              わしは子供を連れてお宮に参ってくるから。家内に言っているので寿司でも食べて帰って  すみません。

               

              奥様が出てこられ、 トヨちゃん 靴箱の上にお寿司を出しているので食べてよ

               

              家の中に入ってみると、丸いおぼんの上にお寿司と湯呑み茶碗にお茶が入り箸もついていた。

               

              僕は寿司の味よりも何よりも大工さんが言ってくれた気持ちが早く欲しかった。

               

              急いで食べ終わり ご馳走様でした と言ったが返事がない。もう一度今度は大きな声で ご馳走様でした!

               

              すると ご苦労様でした。 の声だけ。奥様の顔は見えない。 僕はカーッと腹が立ってきた。

               

              あの言葉を信じて2週間 力一杯頑張ったのに裏切られたと思うと、顔が火照るぐらい悔しかった。

               

              その帰りに兄弟子のヨッチャン宅に立ち寄った。

               

              どうしたんならトヨちゃん? 僕は一部始終を話した。それを黙って聞いていた兄弟子は、

               

              まだ子供の若い子に、、、 可哀そうに  でもな〜 あの春夫さんはそんなことが出来る人ではない。

               

              トヨちゃんはまだ子供じゃから今に分かるよ ま〜そんな事忘れて元気を出せよ!!

               

                                             つづく

              | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
              大工の弟子入り(No.43)
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                親方の息子に嫁さんをもらうため家を新築中である。

                 

                自分の家だけは完璧にしておこうと思うのでしょう。

                 

                僕は朝早くから、目一杯こき使われた。敷居を作ってくれ と言って

                 

                桜の木を3年ぐらい前から保管していた。

                 

                ねじれがあってカチカチに乾燥した木をかついで来て、

                 

                敷居を作ってくれ と13本も出され、9cm×15cmを6cm×12cmに仕上げる。

                 

                これが弟子生活の中で、もっとも大変だった。

                 

                と、ある日親方の手伝いに時々来ていた大工さんが、自分とこの家を

                 

                9月25日に棟上げをするので、2人手伝いに来て欲しい。当日僕も親方と棟上げに行った。

                 

                その日の夕方、トヨちゃんに10月9日の日笠の秋祭りまで手伝いをお願いしたい。

                 

                で、僕は翌日から一人手伝いに行った。すると大工さんは、

                 

                トヨちゃん親方に日当払うより別にあんたにわしの気持ちはするつもりじゃ、

                 

                元気を出してやって欲しい と言われ、貧乏人の浅ましさ!? 僕は朝早くから力一杯頑張った。

                 

                朝6時30分〜夕方6時30分まで休憩もせずに働く2週間は長かった。。。

                 

                今日は10月9日、日暮れになった。 大工さんの気持ちが今日頂ける。。。

                 

                                            つづく

                 

                | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                大工の弟子入り(No.42)
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                  住み込みで行っていた離れの仕事。造作工事に入って、床板、違い棚、天袋、出書院の地袋、天板等

                   

                  全部黒檀でセットにして、僕が板のネジレを取り削る仕事を受け持って床板から始め、板の裏側のネジレを取り、

                   

                  樫の木でネジレ止めのアリを作り打ち込んでから表側の作業、前側は目に付くので裏側は薄くなっても

                   

                  しかたなく一方のみでネジレを取り、トグリカンナで横ズリをして削りかけて八日目の朝、親方が

                   

                  「出来上がったか?」 ほぼ完成です。 そこへ御施主様も来られて「ほーきれいに仕上がったなー、

                   

                  汚れた板の時にはこれが床板になるかなーと思っていた。若い衆はよくやるなー」

                   

                  すると親方もそうじゃ、よくやるようになった。わしだったらこんなに綺麗にはよう仕上げん、、かも。

                   

                  さて取り付けの方は親方、僕は違い棚削りに取りかかった。

                   

                  まず、先に筆返しを作った。やっと仕上げて隅の方に置いていたら、親方がそれを手に取って眺めていたが

                   

                  「おい、この型は誰に聞いたんなら」 はい 兄弟子のよっちゃんに、この型の切れはしをもらって

                   

                  持っています。「ほう!これだけの仕事が出来るようになると、もうわしがかなわんようになった。

                   

                  よう出来とる。」  弟子入りをして3年たらず、初めてお褒めの言葉を頂いた。

                   

                                                      つづく

                   

                  | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                  大工の弟子入り(No.41)
                  0

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                    大きな丸桁 その下に立つ柱のヒカリを取って角木も出来た。

                     

                    すると親方が おい、柱を削ってくれ  分かりました。

                     

                    でも削る前に柱の背割りの埋め木をノコで引き割って埋め木を入れ、

                     

                    建具が入る柱はネジレを取って墨を打って削る。

                     

                    何もかも全部手仕事、日数はかかるし えらい 日暮れには、くたくた

                     

                    柱が削れたと思っているとまた、  おい 土台を据え付けしてくれ

                     

                    約一間か一間半の栗の木4寸角 手で下げてみると重くて石でもさげた位重い

                     

                    基礎も今のようにコンクリートでなく、切り石を石屋さんが積んだ上に

                     

                    カラスグチでヒカリを取って土台を据え付けていく。

                     

                    辺りを取って行くにもとても硬い、ノミもチョウナも受け付けないぐらい。。。

                     

                    やっと棟上も出来、お施主様から  若い衆よくやったなー  そんな言葉を頂いて。

                     

                    座板を貼る準備をしようと思っていると、そこに重たそうな板を親方とお施主様がさげてきた。

                     

                    なんだろう??  おい これは黒檀じゃ 床板 出書院の地板 違い棚 筆返し

                     

                    天袋の地板 地袋の天板 床柱のセットじゃ  これは床板のネジレ止めのサン。

                     

                    と言って、樫の木を置いて行った。 よく乾燥してカチカチ。

                     

                    僕はそれを眺めてこんな硬い物、手も足も出るもんか… と思ってもただ ハイ…。

                     

                                                     つづく

                     

                     

                    | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
                    大工の弟子入り(No.40)
                    0

                      JUGEMテーマ:住宅

                       

                      丸桁の使い方を考えてから、心墨をつけ水平器で背中に心墨を回すのですが、

                       

                      丸桁が太すぎて万力と言う道具を使っても、僕一人の力では動かない。

                       

                      それを見ていたお施主様が「若い衆、わしが手伝ってあげよう」と力を貸し下さり回転出来た。

                       

                      近くで仕事していた親方がそれを見て こりゃ!!困ったらわしに言え! はい すみません…

                       

                      桁端は二尺ぐらいで良いでしょうか? どりゃ おう それ位でよかろう

                       

                      穴を掘る と言っても5寸角もある大きさの穴。 僕の頭が入ってしまうほど大きい。

                       

                      ノミの柄も長いものに付け替えて穴を掘った。ノミでさらえていると、

                       

                      「おい、そんな事をせず カンナで削れ削れ」 あっそうか 仕事も頭の使いようだな、、、

                       

                      いけんなぁ〜 こんな事では。。。 自分が情けなかった。根元同士、組み合わせるには力がいった。

                       

                      仮に組み合わせていると親方も力を貸してくれて  オウ、ようやっとるがな。

                       

                      今は、下側が付いていないようだが、荷が架かると下側が隙間なく付く。良く出来ている。

                       

                      それなら合格じゃ〜 

                       

                                                       つづく

                       

                       

                      | arimoto | 会長 | 09:00 | - | - | - | - |
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